デッドラインデーと交渉
8/31に欧州サッカー市場で夏の移籍の締め切り”デットラインデー”を迎えます。
デッドライン(Deadline)とは、限界線、死線、期限、締め切りを意味する。
毎年、デッドラインぎりぎりで大きな契約が決まったり最終日は大きな賑わいを見せます。
昔から巨額な資本を持つビッグクラブが大枚をはたいて買い物する流れでしたが、最近はクラブオーナーにそれこそ無尽蔵な資金を持つ人達(パリ・サンジェルマンのオーナーはカタールの投資会社QSI)が多くなり、年を追うごとに移籍金の暴騰が止まりません。いくらサッカー市場が賑わっているとはインフレ状態ですね。
交渉は期限ぎりぎりのデッドラインで急激に進むことが多いです。
オークションもしかりで期限ぎりぎりの時間で本当の値段がつくことが多いですよね。
なぜなら最初から買い手が”この値段を出せる”と手の内を見せてしまったら、売り手側はもっと条件のいい取引相手がいないか探してしまい、買い手側は適正価格で買うことが難しくなってしまいます。
そのため期限”デッドライン”がある交渉はぎりぎりで決着することが多いです。
オークションは基本的に売り手が有利です。出品している商品が人気だったり価値の高いものだったら尚更です。しかも、サッカー市場の場合は選手を売らないという選択肢もあります。
ただ、売り手も選手が契約期間でないと売れないので、売らないと”ただ”で出て行かれてしまうこともあり、売り時を見極めるのも難しいです。
僕も仕事柄、”身内”と”社外”両方と取引をすることが多いのです。交渉方法をまとめておきます。僕の場合は取引はお金ではなくて”条件”ですがわかりやすく”お金”で表現しています。
その1
買い手が考えていそうな標準価格の少し上の額をいきなり提示して、相手を納得させる方法です。例えば、適正価格100円の品物に120円をいきなり提示することです。
適正価格より高い値段で買うことになりますが、メリットとしては交渉時間を短縮できることと、売り手を納得させることで次回の交渉もスムーズに行えるようになるということです。
ポイントは単に高い価格を提示するのではなくて、売り手にこちらは適正価格を知っているけど、相手に”あえて”この価格を提示しているという意思を見せることです。
少し高くついても時間と手間も省けますし、相手からの信用を買うことができるので有効な方法です。
ただ、この方法はこちらの”利益”も少し減ってしまいますし、毎回毎回やっていると逆に”カモ”にされる可能性もあります。
交渉相手を見極めることも大事だと思います。
その2
まずは買い手に”標準的な価格”の上の値段を提示します。いわゆるふっかけるとうやつです。そこから”それでは納得できない”となり、価格を下げて適正価格で売るという方法です。
日本以外では基本値切ることが当たり前なので、初期価格はあってないようなものです。でも日本人はあんまり値切るという文化がないので、このやり方をやっていると嫌われてしまうかもしれません。
まとめ
交渉ってほんと疲れることが多いので、ついつい避けがちです。ただ世の中、悪い人も含めてふっかけてくる人もいるので、しっかり自己防衛していきましょう。
話はサッカーに戻すと、今年の大型移籍はFCバルセロナからパリサンジェルマンに移籍した、ブラジル代表ネイマールでしょう。移籍金は2億2200万ユーロ(日本円290億円!?)というサッカー市場で過去最高額での移籍となりました。
1人の選手に290億円ってなかなか狂った数字であまり想像ができない世界ですね。
290億円あったら何に使います?Jリーグのクラブチームのオーナーになれるんじゃないですかね?
さてあと時間はわずかですが、どんな移籍があるか楽しみです。