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【ソナチネ】を10年ぶりに見た感想【ネタバレ】

 

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夏になると北野武の映画が観たくなる。

 

 

20代に「ソナチネ」を見た感想は「なんで最後あんな終わり方なんだろう」

 

最初に見た時は20代、そして今は30代。約10年で僕もまたどう変わったのか?

 

そんな感想を交えてお伝えします。

 

 

公開日

公開されたのは1993年6月5日 今から24年前。

 

ストーリー

たけしが演じるヤクザの組長村川はそれなりに出世もしているようだが、所属する組織では特に上にも媚を売らず言われたことを言われたままに実行するだけで情熱もなく日々のヤクザ稼業を淡々とこなす日々を送っている。

そんなある日、所属する組織の上からの命令で抗争中の沖縄に助っ人で赴くことになる。

最初はただ形だけ(手打ち)で抗争は終わると聞かされていたが、実は村上の持つ縄張りがとても収益いいので、上の組織が従順ではない村川を抹殺して”シマ”を乗っ取ろうという計画であった。

村川は沖縄に行く前からも薄々は気づいているようだが、そのまま命令に従い沖縄に。

 

沖縄の自然や牧歌的な環境を童心に返ったように誰よりもふざけて楽しむ村川。

ただそんな中で一人また一人と仲間を失いってく。そしてついに自分を一番慕っているいる若い部下も失ってしまう。

 

自分を罠にはめた上の組織が沖縄に来ていることを知り、決着をつけるために一人で乗り込んでいきそして...

 

 

 

 

キャラクター

村川(北島組村川組組長)ビートたけし

北島組という大きな組織の2次組織の組長。淡々としていて大きな感情の起伏は見せない。

幸 沖縄で出会う女の子 国分舞

沖縄で乱暴をされようとしていたところを村川に助けられる。その後は行動を共にし村川を慕っている。

 良二(中松組組員) 勝村政信

現地で村川とケンと行動を共にする。本質的な”ワル”ではなく、ケンに自分の悪話を自慢するなどまだまだ子供な印象。ケンと歳も近いようで不良仲間のような付き合いをしている。行動を共にしているうちに次第に村川を慕っていく。

ケン(北島組組員)寺島進

村川の子分。村川組みで常に行動を共にしており、村川を慕っている。村川も数少ない「本音」を愚痴るようにケンを信頼している。

片桐(北島組組員)大杉蓮

村川の部下。不器用でその筋でしか生きられないような男。沖縄でも楽しもうとするいろいろ空回りしている。とにかくキレることでしか感情を表せない。

北島(北島組組長)  逗子とんぼ

村川の所属する上位組織の組長。中小企業の社長のようないたって普通な風貌だが、腹黒く村川の”シマ”を手に入れようと画策する。

高橋(北島組幹部) 矢島健一

北島の側近。村川とは折り合いが合わず、トイレで村川にボコボコにされてしまう。

北島と共に村川を抹殺しようと企む。

中松(中松組組長) 小池幸次

村川は派遣された沖縄の組みの組長。北島に利用され抗争に巻き込まれる。

上地(中松組幹部)渡辺晢

沖縄に来た村川に現地を案内する。踊ったり飲んだり豪快な人であるが徐々に巻き込まれて行く。

殺し屋  南方英二

沖縄で村川を付け狙う殺し屋。釣り人や地元民のような振る舞いで殺し屋という感じがあまりしない。

一切の感情が読み取れない不気味な存在。

金本(マージャン店店主) 水森コウ太

冒頭で村川に場所代を払わず、ひどい拷問のような仕打ちを受けてしまう可哀想な人。

津田(喫茶店のウェイター) 津田寛治

冴えないヤクザを志望する男。村川に堅気に戻るよう諭されるも、沖縄について来てしまい抗争に巻き込まれる。 

幸の亭主 神田瀧夢

幸に乱暴しようとしているところを村川に目撃され、村川に絡むもあっさり...

 

感想 

景色

まずは沖縄(ロケ地は石垣島)の美しさが目をひく。青い海と青い空、とにかく「北野ブルー」と言われる美しい青い色が美しい。

冒頭からの都会でのシーンは室内や夜が多く話も重く絵的にも暗いので、沖縄に来てから空や海を映すシーンはより一層青い色が美し見える。

そして、海辺でのハイビスカスが散るシーンや赤いフリスビー、所々に出てくるバイオレンスシーンでの「血の赤」が青色とのコントラストでとても印象的だった。

セリフ

長いセリフはほぼない。

短いセリフの中にも

「俺ヤクザやめたくなったなあ」「なんかもう疲れたよ」というセリフや

「あんまり死ぬ怖がっていると死にたくなっちまう」村川の言葉からはどこか「死」を連想させる言葉が続く。

物語全体を通して「死」の描写も含めて淡々と描かれており、そこにわかりやすい「感情」を表現したシーンはない。

 ただ、「無感情」といったわけでもなく言葉にこそ出してはいないが村川や他の登場人物からはやりきれない表情を見て取れる。

当時の北野武フライデー襲撃事件などもあって色々と人生で行き詰まりを感じていたのかもしれない、演技なのかその時のたけしの「素」の姿なのかは分からないが...

 

ギャグ

ビートたけしらしく、ほとんどがブラックジョーク。そこら中に散りばめられていて、大笑いはしないもののクスクスと笑ってしまう内容が多いが、冒頭の麻雀の店長を沈めるシーンや、小競り合いから若手が茶化した履いての腹を刺してしまうシーンは人によっては”オイオイ”と思ってしまうかも。

暴力シーン

北野映画と言えば突然の暴力シーン。

密室と突然が多く、本当にあっけなく双方がやられる。

特にスナックやエレベーターの銃撃戦は登場人物が隠れたり逃げ回ったりせず、微動だりせず淡々と銃を撃ち続けてどちらかが倒れるまで続く..

派手なアクションも「怒号」や「絶叫」もないので不気味なほど暴力の狂気が強調されいる。

まとめ 

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僕が初めて見たのは20台半ば。

今まで見たアクション映画や任侠映画と違って淡々としているので、「沖縄綺麗だな」「でも最後がわからないなあ」ぐらいで正直あんまり覚えていなかった。

でも僕にとってその映像の綺麗さがずっと心に残っていて「ソナチネ」を見てからは旅行はだいたい沖縄に行った、そしてそのうち一回は「石垣島」にも行った。

特に石垣島沖縄本島に比べて圧倒的に自然が多く、車で走ったらそこら辺に映画のシーンのような自然があり本当に綺麗なところだった。

写真のデータが飛んでしまったので、写真は貼れないけど...

 

そして鮮明に覚えていたのは最後に抗争に打ち勝った村川が自分で命を絶つシーン。

 

30代になった今、まだまだ村川の歳ではないが世の中のいろいろなことが少しづつわかってきた(つもり)。

 

組織人としては組織の決定には「何かが違う」と思っても従わなければならないし、気にくわない奴がいても自分を押し殺しても、行動しなければならない場面がいっぱいある。

特に村川のようにその手の「業界」でしか生きてこなかった人には他の選択肢が見つけづらいんだろうなと想像もつく。

 「大人」になるというのは上記のような我慢することも一つだけど、違う世界をいろいと持てる「柔軟な大人」に村川はなれなかったんだと思う。

 

「一つの世界」だけで生きていくとその「世界」がダメになってしまった時に他に逃げ場がない。

 

その点村川は「大人」になることができなかった「子供」というべきだろうか?

 

「子供」は楽しいことに一生懸命だけど、飽きてしまったらそこまで、ポイっと辞めてしまう。 

 

結局、村川はいろいろなこと(自分の虚無と仲間の死)が起こり「その世界に飽きてしまって」結論を出した。

 

峠を越えた場所で「幸」が待っているというもう一つの世界があったにも関わらず...

 

だから作品としては「あの終わり方」しかなかったと思う。

 

僕も30代。諦めや後悔もないわけではない。子供のようにはしゃぐこともなく、淡々と毎日を送っている。

 

あの時の10代や20代の感情に戻れるかというとそれはもう出来ないかもしれない。

 

でも僕は自分が「一つの世界」の帰路に立たされた時「もう一つの世界」を多く持つそんな「(柔軟な)大人」になっていたい。

 

そんなことを思った夏の夜。

また沖縄、石垣島に行きたくなってきました。

その時はしっかり写真を撮ってまたここにUPしたいと思います。

 

 

 

皆さんも昔見た作品を見直して見ると思わぬ発見があるかもしれませんよ!

 

 

石垣島に行きたい (絶景フォトブック)

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