幸福の資本論を読んだ感想
「言ってはいけない: 残酷すぎる真実」「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」
出会いは5年前に読んだ「臆病者のための億万長者入門」
その当時の僕は経済的にも人付き合いにも悩んでいた時期でした。
具体的に言えば、お金がない、夢もない、寂しいけど人と絡むのに疲れてしまう、こんな状態。今思えばマジで危ないやつでしたね笑
その当時の僕に生きることにおいてのヒントをくれた一冊でした。
「臆病者の億万長者入門」に書いてあることを実践した結果、経済的にはそれほど困窮しなくはなりました。(それでも平均収入に届いてないけどね)
ただ、今このままのサイクルで生きることにもちょっと疑問を感じていて、いろいろなことに挑戦を始めてます。
そんな時アマゾンで橘玲氏の新作を発見。前回は自分の人生観に大きな影響を与えてくれたので今回も自分の生き方にインパクトをもたらしてくれるのか?ちょした希望を胸に購入をしました。
今回は「幸福の資本論」について5年前から僕の捉え方がどう変わったのかを含めてレビューしていきます!
著者はとても論理的な表現が多いです。
言い方をかえるとかなりお堅い内容です。なので出来るだけ自分に落とし込んだフラットな表現(そもそも文章力がない)でレビューしたいと思います。
この本はプロローグPart0からPart3章エピローグまでの6章の構成です。
そしてこの投稿は恐ろしく長いです。最後までお付き合いよろしくお願いします!
プロローグ
僕が思うにこの本のコンセプトは簡単にいうと
幸せになるためには自分でしっかり人生設計をした方がいいよ
という感じです。
人は幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない
う〜ん、確かになって思う反面、 「なんか難しすぎるなあ」と思ってしまいした。
Part0 「お金持ち」と「貧乏人」の三位一体幸福論
この章では「幸福」って何?ってことを考えさせてくれる内容です。幸福の条件を3つに分けて説明しています。
①自由 ②自己実現 ③共同体=絆
著者はこの3つをあげています。そしてこれらを
①金融資産 ②人的資本 ③社会資本
に分けて考えましょうと言ってます。
まずは「お金」の話です。貧困についての内容、よく言われる「ワーキングプア」についての説明と、現状お金がない環境に置かれている人はそこから抜け出すことが難しいこと。なぜならその環境を変えることで今より辛い状況に追い込まれる可能性があり、そこから抜け出せないループが貧困にはある。
ちょっと救いのない現実を言ってますね。確かに僕の20代はまさにこんな感じでした。
ただ、そこには地元の仲間との強いつながりで生きる人もいて、彼らはそんなに人生を悲観していないでしょうとも表現してます。
続いて幸福を一般的な精神論ではなく、様々なパターンに分けることで解説をしています。
「リア充」「プア充」と言ったくくりですね。お金があっても孤独だったり、お金がなくても友達いっぱいな人など様々います。
自分はこのパターンでいう
「ソロ充」
人的資本だけあって金融資産と社会資本がないような若者のことを「ソロ充」と呼ぶそうです。
に近いのかなと思います。若くないけど...
若者でなくても立ち上げたばかりの自営業者などはサラリーマンとは全く違うことなる生活サイクルなので、早晩、友達関係は切れてしまう
僕は自営業ではないですが、経済的独立したいと言う漠然とした目標とその資金を貯めるために、好きなこと(お金を貯めること)だけしかしてませんでしたからね。
お金や人のつながりはないけど、自分の好きなことだけやっている人。
己を知るってやっぱ怖い.. そもそも好きなことってなんだろう?
「ソロ充」でもないんじゃね自分?
やばいやばい、まずは本を先に読み進めたいと思います。
と、いうことで幸福はただお金だけではなく人脈や社会貢献など心の充実度によって幸福度は変わりますよというお話でした。
Part1 自由のための金融資産
この章ではお金と幸福度の関係についてです。
生きていく上でお金はやっぱりいる、お金がないとそもそも不自由が多い。逆に考えるとお金(経済的独立)があればそこそこの自由は手に入る。
そしてお金は節約をすれば誰でも貯まるしその気になれば億万長者に誰でもなれる。
確かに少し乱暴だけど上に書いてあることは僕も思います。誰でも億万長者にはなれるとは思いませんが、お金に対して意識を変えるだけで僕は超貧困状態ではなくなりましたからね。
だけどこの章では、お金はある程度稼いだら満足度が上がり辛いとも書いてあります。
月給10万の人が来月から11万になったら嬉しいでしょうが、月給100万の人が101万になってもそのことに気づきもしないかもしれない
僕の経済的状況ではまだまだ1万はめっちゃくちゃでかいですけどね笑。
昔、「経済的自由が欲しい」だからそのために「とにかくお金を貯めてやるんだ!」とがむしゃらに仕事、副業でバイトをしたり、節約でケチケチしていた時はそれこそゲーム感覚で通帳のお金が増えていくことに喜びを見出していました。
その時は楽しいんですけど、だんだん飽きるんですよね。同じゲームばかりしていると...
僕の場合は目標はあくまで経済的な独立すると言う曖昧な目標があって、そのための手段としてお金が欲しかったわけです。
だんだん本来手段のはずの「お金を貯めること」がメインにすり替わっていたので、今お金が増えても前のように喜びが減ってしまうことに。
まあ、もっと稼いで何千万貯金してから言えやって話ですが。
自分の将来を考える上での今の「違和感」は、多分お金では解決できなだろうと気づけたので良かったです。
Part2 自己実現のための人的資本
この章ではここで言う人的資本=働くことについてです。
著者も「どの働き方がいい悪いと言いたいわけではない」と書いてますが、この章は読む人の立場によって大きく感想が異なると思います。
まず
企業であれ、個人であれ、知識社会に適応できなければ脱落するだけだ。
まさにその通りなんですが、怖い世の中です。
世界中とネットで繋がる知識社会では、今まで同じことをしていてはいずれ淘汰されてしまう。
確かに今やAIの進歩のすごいですからね、将棋や囲碁でもAIが勝つようになってきましたし、僕が知っていた知識では将棋は、手駒をさせるからAIには負けないとかだったんですが、もう「人間が絶対有利」そんことはないんでしょうね。
多分今ある仕事は大体AIでできてしまう。僕がしている仕事とも多分AIできるだろうなぁ。
何だかすごい時代に生きてるんですね、僕らは。
話を戻して人的資本=働くこと
どこかに勤めてお金を得るためには、労働力を提供してその対価でお金をもらっているわけですが、働き方を大きく二つに別けて
https://ja.wikipedia.org/wiki/マックジョブ
クリエイティブクラス
https://ja.wikipedia.org/wiki/クリエイティブ・クラス
と呼ぶらしいです。
その仕事が誰でもできるものであれば安く買い叩かれ給料は安く、特別な技術などあれば重宝され給料は増える。
そりゃそうですね。
かと言っても多くの人はマックジョブになるはずなんですよね。僕もマックジョブですし。
だって僕がいなくても会社は回るでしょうし、そもそも会社ってそういうものだと思います。
また、人は同じ収入なら仕事にやりがいや達成感を求めるものこれを「自己実現」と書いてます。
心理学者マズローの提唱した「人間にとって最も高次な欲求」の一つ「他者からの承認」=「かけがえのない自分になること」=「自己実現」と表現してます。
人はお金も欲しいが同じ収入なら働きがいを求めるもの。僕も確かに承認欲求があるので、「自己実現」を求めると言う考え方はよくわかりました。
だからこの記事にコメントしてくださいw
ただ、この章では仕事(雇われの)だけで「自己実現」を達成しようと考えることは危険だとも指摘しています。
仕事にやりがいを見つけることはいいですが、仕事だけに囚われてしまうと、突然の解雇や部署の移動などがあった時に途方にくれたりするよってこと。
そして
いずれにしても、定年という強制的な解雇がある。
今後どんどん伸びる長寿の世の中で、いきなり何もすることがなくなってしまうことは確かに不安なことですよね。
僕の父も定年を迎えその後も再雇用で同じ会社に働いてましたが、今年それも終わり今はずっと自宅にいると母から聞きました。
もともと趣味は接待のゴルフぐらいで、そのゴルフも今はやっていない。昼からパチンコをしていてゴロゴロしているらしいです。
父が心配で趣味でも見つけなよと言っても、「この歳だから」と言って何も聞いてもらえなかった...
本人がそれでよければ何の問題もないのですが、僕は父を見ていると将来が不安でしょうがない。もちろん親からしたら僕のことも心配でしょうがないでしょうが...
こんな現実もある、そんな残酷な世の中を生き残らなければならないということですね。
その解決方法の一つとして何においてもスペシャリストになることを進めています。
ではどうしたらいいのか
好きなことに人的資本を全て投入する
まあそりゃそうですよね、好きなことでなければ続かない。
同じようなことも堀江貴文氏も言ってますね。あちらはもっと過激なスタイルですがw
老後が長くなればなるほど、生涯現役で働き続けたら、老後のお金や人付き合いも解消できる。
で、現役で働くためには好きなことをしてスペシャリストになること。
今後の超高齢化社会を生き残るためには、企業にいるよりフリーエージェントになり小回りを効かせ人より早くニッチ見つけることが、今後の戦略で大事であるとこの章でまとめています。
僕が住んでいる近所の商店街のラーメン屋のおじさんがいるのですが、今年で70歳です。
そのおじさんはまだまだ若々しく冗談も達者でとても70歳には見えないです。
もちろんラーメン屋は「ニッチ」でもなんでもないですが、生涯現役で仕事をするのであれば、会社勤めより自分で仕事を起こしたが方がずっと現役で居られるんだなと感じました。
ちなみにおじさんには娘がいるのだけど、IT企業の正社員で結婚してキャリアウーマンになっているので跡取りがいないとのこと。
「お兄ちゃんが本気なら俺のあと継がせてやってもいいぞ」と冗談か本気なのかわからないことを毎回言ってくる。
僕は飲食業で働いているわけではないけど、このおじさんを見ていると本気で弟子入りして後を継がせていただきたいとも思う。
自営業者になればそれこそ橘氏の本の内容が活かせられるだろうし。
ただ、おじさんはまだまだ元気なので僕も僕で自分でできることをもっと探していきたいとも思う。
この章は確かに考えされられて頭が痛かったです。
Part3幸福のための社会資本
この章の冒頭で
「幸福」は社会資本からしか生まれない
と表現してます。
つまり幸福はお金ではなく人からの承認や人との繋がりないがないと人は幸福は得られない。
人類は進化の中で生き延びる手段として集団を形成して生きてきたので、一人では生きられないような仕組みになっている。
これだけ急速に世の中が進んでもわずか50年足らず、何万年の進化で組み込まれた人のプログラムからは逃れられないと。
そして生き方にもついて触れいます。
Part0でできた「ソロ充」も突き詰めたら友達はジムやフリーで参加できるフットサル恋人はキャバクラやガールズバー、性的欲求は風俗で代用するという究極の悟りみたいなもんが開けるのではないかと表現してます。
僕はここにいく可能性がある男なので、ヤバいと自戒しました。
でも、VRの進化とかで性的サービスもだいぶ変わるのでしょうね...
あとはセロトニントランスポーターの話。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、人の幸福度に影響を及ぼすと言われている。
セロトニントランスポーターというセロトニンを取り込みややすいL型とそうではないS型がいて日本人はS型が多いとのこと。
ただ、S型が多い日本人でもストレスのない環境を設計できればL型の人にも負けないくらいの幸せを得ることができるとも表現もしています。
そして最後に「ほんとうの自分はどこにいるのか」ということについて触れられいます。
本当の自分とは子供時代に自分の「キャラ」だと表現しています。
仲間内で自然とできていた「キャラ」が本来の自分であれば、僕の場合は何もかが「副」がつくものだ。
「副部長」「副学級委員」決してNo.1ではなく誰かの補佐役だった。
「副〜」がキャラであったとして僕にできることは何か?
あまり想像できないです。
社会資本=友達や家族を充実させる手段が結局フリーエージェント(独立)という結論は少し乱暴だと思いました。
もちろんやりたいことや好きなことをすることでストレスからは解放されるのかもしれないですが、日本において独立をするとことはまだまだリスキーな話で一般的にオススメできる話ではないんじゃないかなと考えるからです。
でも会社にしがみついても待ち構えるのは....
僕はきっとセロトニントランスポーターが「S型」だと思う。不安や人に嫌われることを極度に恐る日本人の典型だからだ。
確かに僕はやりたいことをやっている時の充実感は人より高いと思うし、それが仕事であれば毎日がとても充実することは想像できる。
でも伽藍の世界からバザールに出る勇気を持たなければ、ずっとこの悩みと付き合っていかなければならいのだろうか。
エピローグ
①金融資産は分散投資をする
②人的資本は好きなことに集中投資する。
③社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する。
人は幸せになるために生まれてきたが、幸せになる設計はされていないという冒頭の言葉を振り返っています。
人の幸せとはを何かをマイケルジャクソンや宝くじの高額当選者のその後を例に挙げて問いかけてます。
富や名声を手に入れた人でも、幸福になれたのか?
金融資産を一気に手に入れてもその後の人生で待ち構える様々なトラブル、結局人生というのものは何かの悩みを解消したと思ってもまた別の悩みを抱えるもので、人生ゴールなんてものはなにのかもしれない。
そして最後は幸せになる設計や努力をしている時が一番幸せではないかと綴って終わります。
僕の書評
「幸福の資本論」を読んで
僕は橘玲氏のニヒルな論調は好きな方ですが、今回は少し読むのが辛かった。
なぜなら僕自身は東京で一人暮らし、独身で仕事場以外の付き合いは薄いです。
そして、今その職場に留まるか去るか悩んでます。
現状は橘氏の言う人的資本(お金を稼ぐこと)社会社会(交友関係)も一つの籠に盛っている状態です。
今の社会の現状と、これからの未来を冷静に読み取っているのかもしれませんが、「残酷な真実」が僕に痛く突き刺さります‥
どちかというと生き残るために「やるしかないな」と感じます。
あくまで本書は自己啓発本ではないので、もし将来設計の具体的な方法などを求めてる方には、ただ説教をされているように感じるかもしれません。
これを説教と捉えるか、それとも「未来を想像して備える」か...もちろん橘氏が説明する方法をいきなり実践できる方は稀な方でしょう。
ただ、近い将来様々なものがAI化する時代は来ると思います。10年前に現在のスマートホンの普及や進化をここでまで予想できていたでしょうか?
進化のスピードは加速度的に上がっていて、10年後はそれこそ僕らの想像を超えて来るかもしれないです。
橘氏があとがきで述べてる
「あらゆる人に適した幸福の法則はない」
だからこそ自分なりの人生設計が必要なんでしょう。
熱中出来るものを多く持ち、そして時々自分を俯瞰して見る大きな視点を持ち合わせていきたいですね。
年齢は関係はなく、今の現状に少しでも不安を感じている人は是非この本を読んで、一緒に考えてみませんか?
悲観や諦めることは簡単ですが、それでも明日は来るわけで...
また暇がある時に読み返します、橘氏の本を読んで僕もだいぶ変わることができたし、もっと幸せになるために僕という人的資本をもっとうまく投資をしてのこの先の人生設計を考えていきたいです。
そんな感想です。あー考えすぎて頭痛いです、ジム行ってきます!とりあえず僕という人的資本が健康でなければなにも始まりませんしね。
恐ろしく長く稚拙な文章でしたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る